アルツハイマーについて紹介します。
人は、誰でも歳をとると、多少は記憶力が衰えることはあるものです。しかし、それが生活に支障をきたすようになると問題となります。
老人期の認知症として問題になるのは、次の4つです:
●アルツハイマー型認知症●クロイツフェルト・ヤコブ病●ピック病●コルサコフ症候群
これらの認知症症状が生じた場合、その進行を止めることは無理でも、生活への支障を最小限にとどめるための幾つかの生活上のアドバイスがあります。また、これらの症状の発生を予防するためのアドバイスとしても参考になると思います。
認知症の直接的な原因は、現在のところはっきりしていませんが、からだの病気や環境の変化などをきっかけとして生じることが多いといわれます。会社を定年したり、入院をしたりして、それまでと生活が急に変化したりすると、認知症になりやすくなります。したがって、普段から自分の健康に留意することが重要なことはもちろん、仕事以外にも趣味や人間関係を広げるなど、生きがいをもつことが大切です。またそのような環境を整備しておくことも必要でしょう。これには本人はもちろんのこと、家族や地域社会全体の理解と協力が必要です。認知症の症状のある老人を抱える家族は、看護の大変な負担を負うことになりますが、家族の看護のよしあしがご本人の予後に大きく関係してくることから、できるだけのことはして差し上げたいものです。医療機関や地域の支援を最大限に利用して、家族が共倒れにならないようにリハビリをしていくことが大切です。
アルツハイマー型認知症の場合、物忘れや身体的症状のほかにも解剖学的な症状が現れます。
アルツハイマー型認知症の場合、解剖学的にみた症状としては、脳の萎縮があります。正常な老人の約10パーセントの減少がみられ、特に前頭、側頭、頭頂葉の減少が著しいのが特徴です。また、脳室の拡大、神経細胞の脱落と萎縮、アルツハイマー神経原線維の変化、老人斑などがみられます。
アルツハイマー型認知症の診断は、まず面接である程度の認知症程度は診断されます。しかし、いろいろな評価尺度を用いることで、よりくわしく認知症の有無や程度を診断します。人間は、現在いる場所、時間などに対して、周囲の状況と関連して正しく理解することができるのが普通です。これは注意、知覚、了解、判断、記憶などが総合された複雑な認識作用であり、認知機能と呼ばれています。自分が今置かれている場所や時間、環境を把握することを見当識といい、脳の損傷などが起きると、これらの認識能力が失われることがあります。アルツハイマー型認知症の診断に用いられるテストの項目は、主に認知機能を中心とします。そのほかに行動面や人格面の評価などを含むことが多いですが、それぞれの評価尺度によって異なります。よく使われるものは長谷川式簡易知的評価スケールです。その他、脳血管性の老人認知症と区別するために、いろいろな身体的検査が行われることもありますが、臨床的にははっきりとした診断根拠とはならないことが多いのも事実です。