アルツハイマーについて紹介します。
老人期の認知症として問題になるのは、次の4つです:
●アルツハイマー型認知症●クロイツフェルト・ヤコブ病●ピック病●コルサコフ症候群
一般的なのは、アルツハイマー型認知症とコルサコフ症候群ですが、クロイツフェルト・ヤコブ病、ピック病も問題であることに変わりありません:
●クロイツフェルト・ヤコブ病
多くは50歳代に発病し、いろいろな精神症状を示しながら急速に認知症化します。遅発性ウィルス感染症とか、プリオンという新しい病原体によるとする説が強く、感染症の一種と考えられています。プリオンというのは、細菌からヒトも含めて、細胞がつくるたんぱくが変異したものです。クイスフェルト・ヤコブ病の原因は、長い間不明でしたが、最近、プリオンと呼ばれる、ウィルスよりも小さな病原たんぱくが原因であることがわかったのです。クロイツフェルト・ヤコブ病では、大脳や小脳に特徴的な海綿状態がみられ、1,2年で死にいたります。
●ピック病
大きな人格の変化が特徴です。それまで穏やかだった人が、家庭や勤め先で無分別な行動を起こしたり、他人に迷惑をかけることが平気になったりして周囲の人たちを驚かせます。また、注意力が散漫になり、他人の質問に真剣に答えようとしなくなったり、物事を覚えようとする意欲がなくなることから、表面的に記憶力が低下したように見えます。しかし、記憶力と見当識はほとんどおかされていません。ピック病には、側頭葉の萎縮、脳室の拡大など、脳に特有の異常が見られるので、独立した遺伝が関係する病気と考えられることも多いようです。
アルツハイマー型認知症は、その原因も明らかでないばかりか、現在のところ今般的治療もないのが現状です。そのため対症療法が中心となります。激しい精神的興奮が見られる症状に対しては、向精神薬を使用します。また夜中に騒ぐ患者さんに対しては、入眠剤を用いることもあります。抗うつ薬の使用が有効なこともあります。最近は、脳内アセチルコリンの研究が進むと共に、老年認知症に対してコリン作動性薬物やコリン前駆物質を投与するなどの治療が試みられています。コリンというのは、神経と神経のつなぎめ、神経と筋肉などの組織とのつなぎめの部分で、情報を伝達する化学物質のひとつです。なかでもアセチルコリンがもっとも強い作用を持っています。アルツハイマー型認知症やその他の認知症でとくに記憶障害が起こるのは、このコリンによる神経間の連絡が絶たれることが原因と考えられています。そこでコリンやアセチルコリンの産生を促す薬、コリンの原料となる薬が、認知症の記憶障害などに有効なのではないか、と研究が進められているのです。
しかしまだ充分な治療効果は上がっていないのが現状です。そのため、家族をはじめとする地域社会全体がご当人の症状を理解し、進行を進めないように力を尽くし、リハビリを継続することが大切となります。リハビリは病気の予防、治療と並び、第3の治療といわれるほど重要なのです。リハビリによって進行を食い止めることはご本人の苦しみだけでなく、家族の負担を軽減する重要な方法でもあるのです。