アルツハイマーについて紹介します。
一定の水準に達したはずの知的能力、あるいはすでに獲得された知的能力が、成人後に明らかに低下した状態を認知症といいます。日本においては以下に3つの型が主に見られます:
●アルツハイマー型認知症●多発梗塞性認知症(脳血管性認知症)●上記のふたつの混合型
認知症の主な症状は、知的機能障害です:
●時間、場所、人の見当がつかない。これを、「見当識障害」といいます。●簡単な計算ができない。●水洗トイレの水の流し方など、誰でも知っている一般的な知識が失われる。●食事をした直後に、食事をしたことを忘れる。
これらは認知症の中核症状であり、逆にこれらがないと認知症とは呼びません。したがって、認知症と診断するさいの第1の根拠は、社会生活に支障を及ぼすほどの知的能力の低下が認められるかどうかにあります。しばしば使われるのは「長谷川式簡易知能評価スケール」というものです。
さらに、認知症ではこうした知的機能障害のほかにも幾つかの副次的な症状がみられます:
●「嫉妬妄想」・・・たとえば、配偶者の不倫などを妄想する。●「被害妄想」・・・物を盗まれたという妄想など。●「幻覚」・・・見えないはずのものが見える。●「不安」●「興奮」●「夜間譫妄(やかんせんもう)」・・・夜間に家の中を歩き回る。
その他、性格上の変化もあります。自己中心的になり、頑固さが目立つようになります。感情が鈍くなって、不潔であっても気にならなくなってしまったり、羞恥心に乏しくなることがあります。
認知症には、主として次の3つの型があります:
●アルツハイマー型認知症●多発梗塞性認知症(脳血管性認知症)●上記のふたつの混合型
これら3つの型のなかで、アルツハイマー型認知症の原因は現在のところ、明らかではないというのが実状です。ただし、アルツハイマー型認知症の場合、次のような特徴をもっていることがわかっています:
●脳の神経細胞が激減するため、大脳全体が萎縮します。さらに詳しく観察すると、神経細胞に独特の変化がみられ、これを「アルツハイマー原線維変化」と呼んでいます。
●神経細胞の外側に、アミロイドと呼ばれるたんぱく質が沈着しています。これを、「老人斑」といいます。
●「原線維変化」と「老人斑」が最も多く認められるのは、大脳皮質においてです。
その他、染色体の異常が関係しているのではないか、という説もあります。というのも、ダウン症の人が成人に達したときの脳の状態が、アルツハイマー型認知症の場合と酷似しているからです。
アルツハイマー型以ではない、認知症の型、多発梗塞性認知症(脳血管性認知症)の場合、動脈硬化や高血圧に基づく脳梗塞の多発が重要な原因のひとつになります。多発梗塞性認知症(脳血管性認知症)をもつ患者さんの脳を見ると、ほとんどの症例で脳に小さな傷がたくさんあることがわかります。これが梗塞巣です。また、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍などでも、二次的に認知症症状を起こすことがあります。